11月23日
8時30分 関電トロリーバス扇沢駅
今回の立山初滑りツアー参加のメンバーを含め、雪の立山を目指す猛者達が我先にと
トロリーバスに乗車してゆき、我われを乗せたバスは一路黒部ダムへと向かった。
黒部ダム駅に到着し、黒部ケーブルカーへの乗り継ぎのためにダムの堰堤を歩く。
ふと見上げれば後立山が雪化粧しているのが確認できた。期待で鼓動が高鳴る。
その後ケーブルカー、ロープウェイ、再度トロリーバスを乗り継ぎ、標高を上げてゆく。
10時30分、我われの目の前に真っ白な雪を抱いた立山連峰がそびえ立っている、やは
り立山は雪が良く似合う。
しかし、ふかふかのパウダースノーを夢見ていた私達の期待は無残にも崩れ去ることと
なった。
無数の縦溝が雪面に刻まれている。
そう、雨溝だ。
どうやら20日頃に雨が降ったらしい。我われにとっては無情の雨だ。
雨は雪面をしっかりと締まらせてしまっていたのだ。パウダースノーなんて何処にも見当
たらない。
背負ったザックの重たさがよりいっそう重く感じる。
{バックカントリー = パウダー}的な公式は決して成り立たないものだ。その事は十
二分に承知していたはずだが、期待に反する現実を突きつけられたことで雷鳥荘までの足
どりまでもが重たくなる。
雷鳥荘に到着後、早々に滑りに行こうとなったが私的にはとてもそんな気分じゃない。
ただでさえ睡眠不足で弱り気味の体なのに。
しかし明日からのためにエッジで雪質を感じておきたかったので仕方なく1本だけ滑るこ
とにした。
雷鳥荘から雷鳥平までの斜面だ。
滑り出して数秒、
雪面は私のスプリットボードのエッジを拒むかのごとく固く締まっていた。
私の'07シーズンは見事な
転倒 からの幕開けと
なってしまった。